今回は、ピアノ教本「チェルニー」を深掘りしていきます。
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チェルニー教本の紹介と実際の楽曲を取り上げた応用例を盛り込みましたので、最後までお読みいただけると嬉しいです✨
チェルニーってどんな人?

カール・チェルニー(Carl Czerny)は、19世紀に活躍したオーストリアのピアニスト、作曲家、教育者です。 1791年2月21日にウィーンで生まれ、1857年7月15日に同地で亡くなりました。

チェルニーはベートーヴェンの弟子として直接指導を受け、ベートーヴェンの「悲愴ソナタ」を暗譜して演奏するほどの才能を持っていました。 また教育者として、多くの弟子を育て、フランツ・リストなど伝説的なピアニストの成功に影響を与えました。彼の教えは名声よりも教育に焦点を置いたもので、音楽教育の重要性を感じさせる生涯です。
チェルニーは教育者としての使命感を感じますね!
チェルニー教本の種類を紹介します!
チェルニーは初心者から上級者まで幅広く対応した練習曲を作曲しました。
教本の種類 | 対象者 | 特徴 |
---|---|---|
100番練習曲 | 初心者向け | 手の形や指使いを習得し、基礎を固める内容。 |
30番練習曲 | 中級者向け | 跳躍やスタッカートなどの応用技術を磨く。 |
40番・50番練習曲 | 上級者向け | 技術的に難易度が高く、音楽表現力を養う内容。 |
作品299(流麗な練習曲) | 中〜上級者向け | テクニックを向上させるエチュード。速度教本とも言われています! |
作品740(演奏技術の進歩) | 上級者向け | 複雑な技術と表現力を習得する教材。指の熟達法とも言われピアニストの高度な技術を習得するための教材! |
身につけたい力:チェルニー教本別の練習効果
教本 | 合わせて学ぶ楽曲例 | 身につけたい力 |
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100番練習曲 | ブルグミュラー「25の練習曲」 | – 正しい手の形と指使い – リズム感の向上 – アルペジオの基礎 |
30番練習曲 | モーツァルトやベートーヴェンのピアノソナタ・ショパン「小品集」 | – 跳躍技術の習得 – スタッカートとレガートの表現 – ダイナミクスの練習 |
40番練習曲 | ショパン「エチュード」・モーツァルトやベートーヴェンの中級レベルのソナタ | – 複雑なリズムの習得 – 速いパッセージの克服 – 広い音域の跳躍 |
50番練習曲 | ベートーヴェン「ピアノソナタ」・ショパン「エチュード」・ラフマニノフ「プレリュード集」 | – 高度な技術の統合 – 音楽表現力の深化 – 演奏の持久力と集中力の向上 |
いろんな楽曲に挑戦できるように練習頑張りたいですね!!
チェルニー教本の役割
- 技術的な基礎の構築: 初心者が正しい手の形や指使いを習得し、スムーズな演奏ができるようになります。
- スキルアップのための段階的構成: 難易度が徐々に上がる構成で、無理なく技術を向上。
- 音楽表現力の向上: ダイナミクス(強弱)やリズムの多様性を学び、感情表現を磨きます。

チェルニー「100番」一番から「エリーゼのために」への応用例
チェルニー「100番」練習曲箇所 | 「エリーゼのために」該当箇所 | 応用できる技術とポイント |
---|---|---|
右手アルペジオ(1~4小節目) | 冒頭右手アルペジオ(「ミーレレミ」) | 指の柔軟性とタッチの均一性。音の粒を揃えて滑らかに弾く。手首をリラックスし、自然な動きで音符を繋げる。 |
左手音階進行(5~8小節目) | 左手伴奏(「ドシラソラシド」) | 安定したリズム感と伴奏技術。テンポを守りながら滑らかに音を繋げる。伴奏を控えめにし、右手メロディを際立たせる。 |

指感覚を身体で感じ、何度も練習して身体に染み込むまで〜
💡詳細ポイント
右手アルペジオの応用: チェルニー「100番」第1番の右手アルペジオ部分では、階段状に進む音符を繰り返し弾く練習を行います。この技術は、「エリーゼのために」の冒頭部分で、アルペジオを滑らかに奏でるために役立ちます。特に指の運び方と手首の動きをリラックスさせることが重要で、音符間の均一な響きを保ちながら、楽曲の繊細な雰囲気を表現するのに効果的です。
左手伴奏の応用: チェルニー「100番」第1番の左手練習では、音階を安定したテンポで弾く技術を養います。この練習を通じて得たリズム感は、「エリーゼのために」の左手伴奏部分で、楽曲全体の流れを支える重要な役割を果たします。左手の伴奏はメロディを引き立たせる控えめな音量で弾くことがポイントです。
両手の練習を通して、リズム感、指の独立性、音の均一性といった基本的な要素が補強される効果も期待できます!
次に、チェルニーに代わる教材を紹介します!
ピアノ教本の紹介
- ハノン『ピアノの練習法』
指の独立性や柔軟性を高める基礎練習に最適。 - ブルグミュラー『25の練習曲』『18の練習曲』
技術練習と音楽性を同時に学べる短い曲集。 - クレメンティ『グラドゥス・アド・パルナッスム』
基礎技術から高度なテクニックまで網羅した練習曲集。 - ドゥメンジョ『初等ピアノの技法』
初心者向けの段階的な技術練習教材。 - カバレフスキー『やさしい小品』
初心者でも楽しみながら学べる練習曲。
どれもチェルニーに代わる良い教材として使われています!

まとめ
チェルニーで培った技術を楽曲演奏に応用することで、音楽を深く楽しみながら、達成感を得ることができます。これを通じて、音楽の魅力を存分に味わい、その可能性を広げていきましょう!

💡おまけ!
海外のピアノ教育ではチェルニー教本はどんな存在?🇺🇸🇫🇷🇩🇪
チェルニー教本は、アメリカやヨーロッパでも広く使用されています。特に、ピアノ教育の基礎を築く教材として評価されており、音楽学校や個人レッスンで採用されています。
ただし、どちらの地域でも、チェルニーの練習曲が「技術的な練習に偏りすぎる」との意見もあり、音楽性を重視した教材と組み合わせて使われることが多いようです!
チェルニーは、今でもピアノ教育の基盤を支える重要な存在であることに変わりありませんね!
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました!